第64回日本アレルギー学会学術大会 (2015.5.26-28開催)に出席し、最新の知見について学んでまいりました。 YokozekiH NEWTON 2012 8 汗は皮膚のバリア機能を高める?
※汗、汗腺の役割
体温調節自然免疫など免疫防御機能
幹細胞の倉庫:再生機能
保湿効果
バリア機能を高める
排泄機能
手足が滑らないようにする
垢を落としやすくする
コリン性蕁麻疹
小型の膨疹 チクチクとした痛み
後天性無汗症を合併していることがある
減汗性コリン性蕁麻疹
体温調節しているのはエクリン汗腺である。
S10−1
どの季節に生まれた子供がアトピーになりやすいか ・・秋
すなわち、南半球では春生まれが多い。
急性ADでは 汗は悪い。慢性ADでは 汗は良い。
手足の汗と体の汗は違う!
なぜアトピーは増えたのか? 汗仮説・汗をかく機会が減ってきた。
角層の水分量のバランス
外からの補給 汗 中からの補給 表面からの蒸発(TEWL)
健常人とAD患者では温熱負荷後の発汗が違う 皮膚にシリコンを貼り付けて発汗の様子を観察する研究では
健常人は皮溝に汗腺が開いており、かつそこに汗がたまる。
急性ADでは皮溝で汗はでなくなり、皮丘に汗(皮溝でなないので代償性の汗とかんがえられる)がでる。慢性ADになると皮溝も皮丘も不明瞭になりかつ汗もでなくなる。
ADの時期による発汗異常の進展
急性AD まず皮溝からの発汗低下→角層水分量の低下 →皮丘からの代償性発汗→汗による増悪 皮溝の汗は主に角層水分量の維持に、皮丘からの汗は体温調節に働いている。 ADの汗管内に汗は産生されているが、皮疹のあるところの真皮には汗が汗管や汗腺周囲に相当もれていることが分かった。
アミロイド苔癬では
発疹が多数あるが、汗管にアミロイドが多数たまっている。そこにヒルドイドを塗ると丘疹が目立つようになり、ヒルドイドラップをすることにより丘疹はなくなった。 汗の表皮への漏れ→ DCDが表皮細胞を刺激 →表皮細胞CXCL10が発現し集まる Q ヒルドイドローションがあわなくて、プロペトではべたつく →いろいろ試してみましょうとのこと。
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表皮下の交感神経末端のアセチルコリン → 発汗を促す 、コリン性蕁麻疹も促す
コリン性蕁麻疹は減汗している!
コリン性蕁麻疹機序の仮説 アセチルコリン→発汗→汗管閉塞説・汗アレルギー説(間接作用)→コリン性蕁麻疹 一方コリン性蕁麻疹の場合は、アセチルコリンがエクリン腺に向かわず肥満細胞に向かう→蕁麻疹 無汗部位に減汗性コリン性蕁麻疹は起こらない。
無汗部位に汗の皮内反応は起こらない。
演者の仮説;低汗部位にアセチルコリン受容体は減少、アセチルコリンエステラーゼも減少。 エクリン腺にMCP1 と TARCが産生が亢進している。
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汗はADの悪化因子である。汗をかくとかゆくなり、その後悪化することが多い 表皮で作られて抗原が真皮に入っていくという理論も考えられる。
タンニン酸はヒスタミンを失活させる。
タンニン酸入りエアロゾルスプレイの臨床効果 →AD増悪抑制
M.globosa(マラセチア・グロボーサ)
精製汗抗原(QR) は小児AD患者の3割から5割にヒスタミン遊離試験陽性と判明した。
血清中マラセチア抗原と汗抗原とは別物である。
M.globosaの分泌するMGL-1304 は、ヒト汗における主要ヒスタミン遊離抗原であるが、全てではない。
MGL-1304 はコリン性蕁麻疹を誘発させADを増悪させる。
ADではM.globosaの増殖が有害なのか?
そこで、AD患者IgEの結合するMGL_1304 のエピトープを調べたところ、
マラセチアは14種類同定されている。犬とヒトのマラセチアは進化的に近い。 Q:タンニン酸スプレーは手にはいらないので、一般的には推奨する入浴剤などあるか 汗の機能 保湿成分 乳酸ナトリウム 尿素 フィラグリンに由来する天然保湿因子 Newton2012 8月号 横関博雄先生監修
アトピー性皮膚炎(AD)の患者の汗と健常人の汗を比較したところ
5mlの汗を採取するのに30分かかる(健常人は10分) ADのphは低い、タンパク濃度が濃い
汗をかくと痒みは抑制される Nattkemper Lら、 Br J Dermatol 2015,in press
かいた後の汗はどのように対策すべきか。
成人型ADでは発汗量が減少し、発汗に時間がかかる。
ADの発汗量低下のメカニズム 角栓形成 汗管からの皮下への汗漏出 ヒスタミンが汗管障害する。
では汗をかくだけで良いのか?
1.重炭酸イオンが汗のPHを決める。
汗が流れて肘窩などにたまる→汗蒸発→汚れがたまる→皮疹の悪化
おしぼりで拭ってみる シャワーを浴びる 汗をかいたときは下着を着替える 保湿について
Q:運動時の汗のpHは高いと言われるが、pHが高いとプロテアーゼ活性もあがると思われるが、どのように考えるべきか。 汗はすべてのスタッフがととのっているよい保湿剤なのである。
昔の理論;自己と非自己の識別 非自己を排除
体内にある免疫発動物質 アラーミン
HMGB1 DNAにバインドするが、強力なTh1型免疫応答を引き起こす。
IL33 TLSP IL25 が3種の神器である。 IL33は肺微小血管内皮細胞が二重鎖RNAで刺激されると放出される。 皮膚の物理的障害によりTSLPが誘導され、所属リンパ節でのTh2サイトカイン産生を惹起する。 妊娠/授乳中の特定の食品回避は子供のアレルギー発症予防に無効。 適応は日本アレルギー学会あるいは日本呼吸器学会専門医が判断することになっている。
手技は気管支鏡専門医の指導のもとに行う。
(当院院長はアレルギー学会と呼吸器学会の専門医を取得しており、もと気管支鏡専門医である。) 高用量のICS/LABAを用いてもコントロール不良の喘息患者が適応で、治療ステップIVの一部である。 治療後の喘息増悪が一過性に起こるのでその対策として
前治療 PSL50mg 5days →右下葉実施し、3週間後→左下葉 →3週間後 両上葉。
PSLは治療3日前、治療当日、治療翌日に投与する。
BTの実際:
人員は最低3名、できれば4−5人、術者、助手(カテーテル操作)、BTマッピング、記録者 加えて麻酔管理、口腔吸引、
※ 中葉は虚脱しやすく危険なので行わない。
フットスイッチを踏むと10秒間通電されて、ビープ音が2秒毎に鳴る。 治療時間は1時間以内。
BT後の状態確認
手技後におこる症状 喘息症状の一過性悪化 無気肺 喀血 下気道感染
その他胸痛 機序不明だが問題となることはない。
日本では現在10例施行。
気管支狭窄拡張術 1万150点
Alair気管支サーモグラフィカテーテル 323000円
コレを3回受ける必要あり。
オマリズマブだと3割負担で28回分に相当
5年間の治療後データを2年前に発表した。
非薬理学的な治療で、気道平滑筋が増加した症例に有用。
目標は気道収縮を抑えて喘息発作を抑制するものである。
喘息症状を5年間にわたって抑制する。補完的な他の薬物を完全になくすことができるものではない。
世界中では33カ国、450施設で行われている。
GINAによるステップ5の治療にBTは追加されている。英国胸部学会BTSのステップ4,5の治療、世界喘息会議でもBTは保険に収載されるべきとある。 Alairカテーテルで65度の温度を与える。 機序:気道平滑筋を減少させる
Athma Intervention Research 2
BT190名 SHAM98名 →1年後181名と97名
1年後臨床的有意に改善 79%、sham群 64%。
入院、発作による緊急受診も減少させた。
Air2 extension Study
5年間のフォローによる重度の増悪は32%程度と低く抑えられた。 ER受診も78%減り、入院頻度の増悪はなかった。
適応(indication)
成人18歳以上 ICS/LABA治療でコントロール不良(最大限の薬物治療でも不良)
禁忌 ペースメーカー治療患者
声帯機能不全、SAS、COPD、重度の気管支炎、など除外
最近飼い始めた猫 →まず猫を手放すことから。
処方薬の確実な服薬がなされているか。
BTのメリットは、安全に痛みもなく治療できること。
Low FEV1: FEV1は最低限55%以上必要。
アレルギー性 非アレルギー性 両者に有効
Exacerbations :しょっちゅう急性増悪するひと まさに適応患者。
牛乳経口負荷試験における検討を実施した。 牛乳経口負荷試験を行った153例( 総負荷量不足データ不足 判定保留を除外した)
平均年令1歳
負荷食品:非加熱牛乳
投与間隔:15−30分 1ml→2→5→10→20→
結果:負荷試験陽性88名 57.5%だった。
皮膚症状94.3%、呼吸器症状27.3% アナフィラキシー6.8%
牛乳特異的IgE抗体価による症状の重症度別プロバビリティカーブ・・・特異的抗体価が高いほど重症の症状が誘発されることが分かった。(例IgE 50kUa/Lのときに陽性率90%以上、grade 3以上は30%程度) 完全に統一しているわけではない。